メモリ(RAM)

📋 この用語の要点(藤堂 怜の視点)

メモリ(RAM)は「同時にどれだけの作業を抱えられるか」を決めるパーツ。CPUがどれだけ速くても、メモリが足りなければSSDに書き出して動かす羽目になり、体感がガクッと落ちます。2026年現在、新品PCは16GBが最低ライン。クリエイティブ作業や複数アプリ並行なら32GBが安心です。容量だけでなく規格(DDR4/DDR5)・速度・デュアルチャネルも見ましょう。

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目次

メモリ(RAM)とは:「作業机の広さ」と考える

メモリ(RAM/Random Access Memory)は、パソコンが「いま使っているデータ」を一時的に置いておく場所です。よく「作業机の広さ」に例えられます。机が広ければ複数の資料を同時に広げて作業できますが、机が狭いといちいち資料を引き出しにしまって、別の資料を出して……と手間が増えます。これがメモリ不足の状態です。

CPUが処理を実行するためのデータは、いったんメモリに読み込まれます。メモリに収まりきらないデータはSSDHDD(ストレージ)に書き出され、必要なときに読み戻されます。これを「スワップ」と呼びますが、ストレージはメモリより圧倒的に遅いため、スワップが頻発するとPC全体の動作が一気にもっさりします。

RAMとROMの違い

RAM(メモリ)は電源を切ると消える一時記憶。一方 ROM(Read Only Memory)やSSDHDD電源を切っても残る永続記憶です。両者は役割が完全に違うので、「ストレージが大きいからメモリは少なくていい」という考えは成り立ちません。

メモリ容量の目安:用途別の必要量

8GB:事務作業の最低ライン(ただし将来不安)

2020年頃までは8GBが標準でしたが、Windows 11 のシステム要件強化や Chrome のメモリ消費増を考えると、2026年の新品で8GBを買うのはおすすめしません。中古でやむを得ず8GBを選ぶなら、メモリ増設可能なモデル(後述)を選ぶこと。

16GB:2026年の標準ライン

事務・Web閲覧・動画視聴・軽い画像編集なら16GBで十分快適。複数タブを開いたまま Excel と Word を行き来する、Zoom 会議をしながらブラウザを開く──こうした並行作業でもストレスは出ません。新品PCはここを最低ラインに

32GB:クリエイティブ・ゲーミングの安心ライン

動画編集・写真現像(RAW)・3DCG・本格ゲーミング・配信・仮想マシン利用なら32GBが安心。Adobe Premiere Pro や DaVinci Resolve、Lightroom Classic は16GBでも動くものの、4K素材や複雑なタイムラインでは16GBではすぐ枯渇します。

64GB以上:プロ用途・特殊ケース

8K動画編集・大規模3Dレンダリング・機械学習・複数仮想マシンの同時起動──こうした特殊用途では64GBから上が射程に入ります。一般ユーザーには不要で、お金をかけるならCPUGPUに回したほうが体感に効きます。

メモリの規格:DDR4 と DDR5、何が違う?

DDR4:2026年時点ではまだ現役

2014年に登場し、長らく主流だった規格。価格がこなれており、中古市場も豊富です。第10〜12世代Intel・Ryzen 5000シリーズまでが DDR4 対応で、新品PCでも DDR4 搭載モデルはまだ多く流通しています。

DDR5:新世代CPUの標準

2022年から本格普及した新規格で、第12世代Intel以降、Ryzen 7000シリーズ以降が対応。動作クロックが高く、容量あたりの転送速度も上がっています。価格は DDR4 より高めですが、最新CPUの性能を引き出すには DDR5 が必要です。

DDR4 と DDR5 は混在不可

マザーボードの DIMM スロットは規格専用です。DDR4 マザーに DDR5 メモリを差すことはできません(物理的に切り欠きの位置が違う)。マザーボード選定時にどちらの規格に対応しているかを必ず確認してください。

速度・デュアルチャネル:容量と同じくらい大事な要素

動作クロック(MHz)

DDR4 で 2666/2933/3200/3600MHz、DDR5 で 4800/5200/5600/6000MHz といった刻みがあります。CPUとマザーボードがサポートする上限を確認したうえで、できる限り上のクロックを選ぶと、特にゲーミングや動画編集で1〜数%程度の差が出ます。

デュアルチャネル:2枚挿しが鉄則

メモリは1枚で16GBより、8GBを2枚挿しの「デュアルチャネル構成」のほうが帯域が倍になり、体感速度に効きます。BTO自作PCでメモリ容量を選ぶときは、必ず「2枚組(キット)」で揃えること。

容量とのトレードオフ

同じ予算で「16GB×1枚」と「8GB×2枚」を選ぶなら、即座の体感は2枚組が上。ただし将来増設したい場合は1枚構成のほうが拡張余地が大きい。新品なら最初から目標容量を2枚で揃えるのが鉄板です。

メモリの「後から増設」できる/できないの見極め

デスクトップPC:基本的に増設可能

マザーボードに2〜4本のDIMMスロットがあり、空いているスロットに同規格のメモリを増設できます。ただし異なるメーカー・クロックのメモリを混ぜると安定性を落とすことがあるため、増設時は既存メモリと同じ製品か、デュアルチャネルキットを買い足すのが安全です。

ノートPC:モデル次第(オンボードに注意)

かつてはノートPCもメモリスロットがあり増設可能でしたが、2020年頃から薄型化が進み、メモリがマザーボードに直付け(オンボード)されているモデルが急増しました。オンボードメモリは増設・換装が一切できません。購入前に「メモリスロットの空き」「最大容量」「オンボードか否か」を必ずスペック表で確認してください。

ミニPC:SODIMMで増設可能なケース多し

Intel NUC や中華系ミニPCの多くは、ノートPC用 SODIMM 規格のメモリスロットを持ち、増設・換装が可能なケースが多いです。中古や安価モデルを8GBで買って、後から16GB/32GBに増やす運用が現実的な選択肢になります。

メモリ不足のサインと対処法

こんな症状が出たらメモリ不足を疑う

・複数アプリを開くと一気に動作が重くなる
・ブラウザのタブを10個以上開くと切り替えが遅い
・動画編集で再生がカクつく、書き出しが極端に遅い
・タスクマネージャーの「メモリ」使用率が常時80%以上
──これらは典型的なメモリ不足のサインです。

対処法の優先順位

1. 増設可能なPCならメモリを買い足す(一番コスパが高い対処)
2. 不要なバックグラウンドアプリを止める
3. ブラウザを軽量なものに切り替える、タブを整理する
4. 増設不可なら買い替え検討。次は16GB以上を必須に。

よくある質問(FAQ)

2026年に新品でPCを買うなら何GBが目安?

最低16GB、できれば32GBです。8GBは Chrome を数タブ開くだけで枯渇する場面が増え、Windows 11 の標準機能も重く感じます。長く使うなら32GBを推奨。

8GBから16GBに増設すると体感は変わる?

変わります。特に Chrome のタブを多く開く、Zoom 中に Excel を触るといった並行作業で差が顕著です。SSD換装と並ぶ「最もコスパの良いアップグレード」の一つです。

DDR4 と DDR5 はどちらを選ぶべき?

CPUとマザーボードが対応している規格を選びます。新世代CPU(第12世代Intel以降/Ryzen 7000以降)を選ぶなら DDR5、それより前なら DDR4 になります。

メーカーが違うメモリを混ぜても大丈夫?

動くことが多いですが、まれに相性問題で起動しない・不安定になる事例があります。安全策としてはデュアルチャネルキット(同梱2枚組)を買うこと。増設時は既存メモリと同型番を選ぶのがベターです。

ノートPCのメモリは増設できる?

モデル次第です。SODIMMスロットがあれば可能、オンボード(直付け)なら不可。購入前にスペック表で「メモリスロット数」「最大容量」「オンボードか否か」を確認してください。「メモリ:16GB(増設不可)」と書かれているモデルは要注意です。

メモリ容量はあればあるほどいい?

使い切らなければ意味がありません。事務用途で64GBあっても、使うのは10GB程度。余剰分は遊んでいるだけです。用途に対して2割程度の余裕がベスト。「32GB積んでも常時20GB使用ならピッタリ、5GBしか使ってないなら過剰投資」と覚えてください。

メモリの動作クロックは体感に影響する?

事務用途では誤差レベル。ゲーミングや動画編集では数%〜10%程度の差が出ることがあります。「最速のメモリを買えば劇的に速くなる」とは思わず、CPU・マザーの対応上限の範囲で選ぶのが現実的です。

✏️ 藤堂 怜より

メモリは「地味だけど効く」アップグレードの代表格です。CPUGPUと違って数字でドラマチックに変わるパーツではないので、軽視されがちですが、不足したときの体感悪化は圧倒的に大きい。逆に十分足りているときの「快適さの安定感」は、CPUクロックを上げるより確実に効きます。8GBで使い続けて「最近PCが遅い」と感じている人は、まずメモリ使用率を確認してみてください。常時80%超えなら、買い替える前にまず16GB/32GB増設を検討する価値があります。

もう一つ大事なのが、買うときの「将来枠」です。私が普段BTOを提案するときも、必ず「今は16GBで十分でも、3年後に32GB相当の作業をしないか」を逆算してもらいます。動画編集を始めたい、副業でクリエイティブ系をやってみたい、そんな予定があるなら、最初から余裕を取ったほうが結局安く済みます。ベンチは盛らない。回した数字だけ載せます。メモリも同じで、増やせば必ず速くなる、ではなく、「使い切れる量」を見極めて選ぶのが正解です。

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この記事を書いた人

パーツショップ勤務を経て雑誌ライターに。メーカー公称値を鵜呑みにせず、自腹購入と実機検証を信条とする。ベンチは必ず実測、数字を盛らない姿勢で「用途に見合う構成」を詳しく記述する。担当:自作PC/CPU・GPU・パーツ/デスクトップ/ゲーミング/ベンチマーク検証。「ベンチは盛らない。回した数字だけ載せます。」

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